「さわっていいの」
「もちろんだよ」
ぽー、と長い音を出す彼。
洸さんに言われたように、ベルのなかに腕を入れては出し、入れては出しを繰り返す瑛太。
洸さんはマウスピースから口を離す。
「音が微妙に変化するだろ」
「んー? わかんない」
「子どもには解らないか」
「あ、すーぱーぼーる!」
瑛太は道に転がっていたスーパーボールに興味が行き、それを拾う。
そして、地面に叩きつけ、跳ねるボールにはしゃぐ。
「洸さん、ほんとに楽器吹けたんだね」
「そうだけど」
「あの日、チャペルで私を誘う手口かと思ってた」
「まあそれもあった」
「なにかあった? 淋しいことでも」
以前、彼に言われたことと、同じようなことを口にした。
彼の奏でるホルンは、夕暮れと相まってか、どこか哀愁を感じた。
「もちろんだよ」
ぽー、と長い音を出す彼。
洸さんに言われたように、ベルのなかに腕を入れては出し、入れては出しを繰り返す瑛太。
洸さんはマウスピースから口を離す。
「音が微妙に変化するだろ」
「んー? わかんない」
「子どもには解らないか」
「あ、すーぱーぼーる!」
瑛太は道に転がっていたスーパーボールに興味が行き、それを拾う。
そして、地面に叩きつけ、跳ねるボールにはしゃぐ。
「洸さん、ほんとに楽器吹けたんだね」
「そうだけど」
「あの日、チャペルで私を誘う手口かと思ってた」
「まあそれもあった」
「なにかあった? 淋しいことでも」
以前、彼に言われたことと、同じようなことを口にした。
彼の奏でるホルンは、夕暮れと相まってか、どこか哀愁を感じた。



