夕焼けの音

「あの、会ってくれる?」
「は?」

鳩が豆鉄砲くらったような表情を見せる彼。

「……その話は、また今度な。ちゃんとするから」

はぐらかされたようだったけれど、“ちゃんとするから”の言葉に救われる。

じゃあ」

また彼は背中を見せて、ドアを出て行った。

私はお腹に手をあてた。

大丈夫、大丈夫。
洸さんは奥さんのことちゃんとしてくれるって云ってるし。
ここ毎日家に来て、一緒にご飯食べる機会も増えたし。

私たちは、あたらしい輝かしい家庭を、きっと築ける。

未来は明るいよ、あかちゃん。
ねえ、あなたは男の子? 女の子?
どっちでも守っていくからね。
洸さんと共に。