夕焼けの音

洸さんの? 他の誰かの?

将来のことはまだ何も解らない。今はこうやって一緒にいられるだけで幸せ。

「夫婦の営みでもする?」

彼は湯飲みに口をつけたまま、私に尋ねてくる。

「温泉入りたいな」

私がはぐらかすと、かたん、と受け皿にお茶を置き、机を挟んだ向かいにいた彼は、徐に立ち上がった。

「じゃあ浴衣に着替えて行こうな」
押し入れから浴衣を持って私に寄ってくる。そして服を捲ってブラジャーのホックを彼は外す。
「自分でできるってば」
「いいから」

彼はそのまま私の服を脱がせ、胸に唇を当てた。

「ちょっと、お風呂」
「澄花ちゃんの匂い好きだよ」

そしてそのまま、あれよあれよという間に私は流されてしまった。
旅行というテンションもあってか、その日は結局何回もした。