桜の天の川

校庭に咲き誇った桜と、「入学式」という札を見て、目が潤んだ。
陽桜と何度もお花見にいってみた桜。
またここで会おうね、と約束を交わした校門
一緒に行けるはずだった今日の入学式。
咲き誇り、そして花びらを雨のように散らす桜の下で、ひっそり泣いた。
そのとき、
「泣くなよ」
懐かしい、大好きな人の声がした。
幻聴だ、そう思おう野に振り向かずにはいられなかった
「え」
陽桜が、陽桜がいた。
「う・・・、うそ」
陽桜は照れたように笑い、
「寂しいから、会いに来ちゃった」
「ほ、ほんとに・・・ひお?」
陽桜はちょっと笑い、うなずいた。
「そ。」
「泣かないでよ、大好きなお前が泣いてんの、みてらんねーって。