駅の改札口に来たところで、足がすくむ
きみと、ううん、陽桜と何度も来たこの場所で、平常心でいられるわけがなかった。
あの事を思い出してしまうからー
ー『おはよう』
電話口から聞こえてきた大好きな人の声に、思わず微笑む。
「おはよう」
『今日、卒業式じゃん』
卒業式、という言葉にきゅん、と胸がいたむ。
「そだね。」
ーでも、
「でも、もうお別れなのかな。」
電話の向こうで一瞬息をのんだ気配がした。
そしてなぜか「ふふっ」と嬉しそうに笑うと、
『一緒にいられるよ。』
と私に告げた。
「え・・・?な・・・、なんで?」
私はあえぐように言葉を続ける。
「だって、ひ、ひおと・・・わたしは・・・高校別々でしょ?」
『びっくりさせたいから、黙ってたんだ。』
「・・・へ?」
また彼はくすりと笑うと
『N高、受けたんだ。受かったよ。』
それで理解できた。ああ、そういうことか、と。
そして、私の体中に喜びが広がった。
―「陽桜、高校もよろしくね。」
「ん、もちろん」
「陽桜、だーいすき」
「俺も」
幸せだったこの瞬間、あたりには爆発音のような、ものすごい音が響いた。
「リオン!!」
最後に、大好きな彼が切羽詰まった顔をして、私の名前
きみと、ううん、陽桜と何度も来たこの場所で、平常心でいられるわけがなかった。
あの事を思い出してしまうからー
ー『おはよう』
電話口から聞こえてきた大好きな人の声に、思わず微笑む。
「おはよう」
『今日、卒業式じゃん』
卒業式、という言葉にきゅん、と胸がいたむ。
「そだね。」
ーでも、
「でも、もうお別れなのかな。」
電話の向こうで一瞬息をのんだ気配がした。
そしてなぜか「ふふっ」と嬉しそうに笑うと、
『一緒にいられるよ。』
と私に告げた。
「え・・・?な・・・、なんで?」
私はあえぐように言葉を続ける。
「だって、ひ、ひおと・・・わたしは・・・高校別々でしょ?」
『びっくりさせたいから、黙ってたんだ。』
「・・・へ?」
また彼はくすりと笑うと
『N高、受けたんだ。受かったよ。』
それで理解できた。ああ、そういうことか、と。
そして、私の体中に喜びが広がった。
―「陽桜、高校もよろしくね。」
「ん、もちろん」
「陽桜、だーいすき」
「俺も」
幸せだったこの瞬間、あたりには爆発音のような、ものすごい音が響いた。
「リオン!!」
最後に、大好きな彼が切羽詰まった顔をして、私の名前

