刺青に抱擁。

「刺青を彫ろうと考えているんだ」


こちらに背を向けたまま、あんたが言う。


「何処に?」


あんたは何を考えている。


「背に決めている」


どうして、そんな事を言うの。


「綺麗に入ると良いわね」


どうして、わたしに言うの。


「花は好きか」

「まあ、そうかな」


焦りが込み上げる。


「入れておいてやるよ」

「怖いから遠慮するわ」


恩を売る様な言い方が憎らしい。


「そう言うな。何が良い」

「強いて挙げるとすると」


細くて、白い。

背に彫るなんて。


「満開の花が見たいわ」


悍ましい。


「分かった」


白い肌に咲いた花。

きっと、よく映える。