一気に黒い男の人が言い終わったあと、彼は付け足した。「前野のことも……」と。
一瞬聞き間違いだと思ったが、前野さんと虹空くんは仲がいい。きっと大切な存在だろう。
「確かに前野さんはよく虹空くんと話してますね。年の差は凄くあるのに友達みたいな感じで」
何気なく発した一言だった。なのに、男の人は凄く衝撃を受けていて、目を大きく開き、口は開けっ放しになっている。
何をそんなに驚いているのだろうか?今の発言に驚くポイントなんて何もなかったはずだ。
「雨。もしかして君は気づいていない?」
「気づいていないって……何を?」
「ちょっと待ってて」と彼は濃い霧の中に走って消えていく。
すると、一分もたたないうちに白い箱を持って現れた。
その白い箱とは、私が前回来たときに蓋を開けて虹空くんの過去を見たものだった。それと同時に、この箱は虹空くんにとって大事な思い出が沢山詰まっているものだ。
「これを見れば全てが分かる」
男の人によって箱が開かれる。たちまち、私達はまばゆい光と強い耳鳴り、頭痛に襲われた。



