雨上がり、また想いだせるように。

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「雨、また会ったね」



黒い服を来た男の人が私を見ながら手を振っているのを見て、思わず苦笑いを返す。
私はまた、夢の中へ来てしまっていた。



「そんな顔しないでよ、雨」



今までで一番、黒い服の男の人と距離が近くて、手を伸ばしてしまえば触れそう。でも、正体がいっこうに分からないこの人に対して触ろうとも隠れている顔を見ようとも思わない。


私は視線を男の人から周りに移した。



「ところで、この霧って一体何なんですか?」


「あぁ、今日は一段と濃いね。これじゃあ、全く周りが見えないや」


「ちょっと待ってね」と言い、彼がポケットをごそごそとあさり出す。そして、なにやら珍しい形をした花瓶を取り出した。


「あ、その花瓶って」



私はその花瓶に見覚えがあった。でも、割れていたはず。



「僕が直した」



男の人が得意げに言って、持っている花瓶を傾ける。すると、周りにある霧が勢いよくスルスルと吸い込まれていく。