雨上がり、また想いだせるように。



彼はわがままを言ったことはあるのだろうか?


ずっと、我慢してたのではないだろうか?


私は虹空くんに抱きついている手を離すとその離した両手をぎゅっと握られた。



「雨、どうしたの?息も上がってるし……この階段、駆け上がってきたの?」



うなずくと、虹空くんは呆れたようにため息をつく。



「しんどくない?」


「大丈夫だよ」



「良かった」、虹空くんは呟くとそっと私の手を離した。


でも、なんだか様子が変だ。


いつもは私の目を見て話してくれるのに、今日は一度も目があっていない。


虹空くんと目を合わせようとしても全てそらされてしまう。



「……虹空くん、何かあったの?」



恐る恐る、聞くと虹空くんは今日、初めて目を合わせてくれた。



「雨、ここから一緒に出よう」



私にとってあまりに思いがけない言葉だった。頭の中で何度も虹空くんの言った言葉が頭をぐるぐると回る。


今まで、そんな言葉出なかったのに……と思ったが、私は思い出した。


あの、二人で海に行った日、天気雨に濡れながらベンチで話したとき、