とにかく、一目でもいいから虹空くんが見たい。生きてるんだという確証が欲しい。
何度押しても返事がないどころか、部屋に誰かが居るという雰囲気さえない。
私は食堂へ向かい、前野さんに声をかけた。
「すみません。虹空くん見ませんでしたか?」
聞くと、前野さんは驚いたように私の方を見た。
「雨ちゃんが虹空といないの珍しいね。そんなに急いでどうしたの?」
「どうしても虹空くんに会わないといけなくて」
会って、確かめないといけない。あれは過去じゃないということを。
私は食堂に来るまでに考えたことがある。
あの夢は虹空くんの過去だった。でも、あの部分だけは未来なのではないかということ。
虹空くんは確かに今、夢の世界で生きている。もしかして、私がこの世界に来た理由は虹空くんを救うため、愛するためなのかもしれない。
「虹空、今日は見てないな。なんか、あいつに関する悪い夢でも見たの?夢なら俺も見たことあるけど」



