雨上がり、また想いだせるように。



虹空くんは手をぎゅっと握りしめる。きっと、あの時の私と同じことを考えているのだろう。


ここは、夢だから。叶うことなんてない願いだから。



『この世界じゃない世界。………僕を……人』



最後の方の願いは聞こえなかった。でも、虹空くんは私と同じ願いをした。



『君の願いは叶う。こっちにおいで』



黒い服の男の人は虹空くんとともに霧の中を歩き、夢の世界へとたどり着いた。夢の世界には誰も居ない。



『ここは、虹空のために出来た世界だよ。少しずつでいいから君の願いを叶えていくんだ』



夢の世界について私は何も知らなかった。どこかの気まぐれな人が気まぐれに作った物だと思っていた。


でも、本当は虹空くんの欲しい世界でそれがのちのち、色んな人が住むようになったんだ。



『……現実の世界には戻れるんですか?』


『心の中で強く思い浮かべるんだ。あっちの世界での君の思い出を』



それから虹空くんは二つの世界を行き来した。


すると、誰も居なかった夢の世界は、小さい子供から大人まで様々な人が住むようになり、その人達は夢の世界から現実の世界まで行き来することは出来なかったが、虹空くんだけは例外でそれが出来ていた。