雨上がり、また想いだせるように。




『もう、わたし達の生活にとって邪魔だから適当に、学校から近いからとかっていう理由で一人暮らしさせましょ』



お母さんはなんてことを言っているのだろう。


あんなに、虹空くんを愛してやまなかった人が浅見さんと結婚してその間に子供を持っただけでこんなになってしまうなんて。虹空くんのことを邪魔扱い、いや、もういらないと物のように扱うようになるとは。


こんなの、虹空くんが聞いたら傷つくに決まってる。


リビングのドアを見ると、そこには少しの隙間が開いていて虹空くんが立っていのが見えた。


再び、虹空くんは傷ついた。お母さにあげた花瓶を見たときと同じように。


うつむきながら階段をのぼっていく虹空くん。


私は扉をすり抜けて追いかけた。


部屋に入ると虹空くんは泣いていた。白い箱を抱きしめながら。きっと、あの幸せな家族との思い出を、思い浮かべているのだろう。


次第に虹空くんはうとうとして眠ってしまった。


目の前が霧でいっぱいになる。ここは夢だ。夢の世界に続く夢。


私と同じように黒い服に包まれた男の人が虹空くんと前に現れる。



『虹空の欲しい物は?』