あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

ゆっくりと頑張って話をしようとする姿に、思わず息を飲む。


「好きな人がいるんだ。でも……決して祝福してもらえる相手じゃないの」


えっ、弥生……?


嘘だよ。


「まさか弥生先生……」


「……うん、不倫だよ。相手には奥さんも子どももいる。最初からわかってて付き合ってる。ダメだってわかってて。でもさ……どうやっても嫌いにはなれなくて」


正直、ものすごくショックだった。


弥生が不倫してるなんて信じられない。


勝手な思い込みだけど、この人にかぎって……そんなこと絶対しないって思ってたから。


私は、かつて妹のお見合い相手で、妹とはお互い想い合っていると思ってた九条さんと体を重ねた。


その時の自分の気持ち、確かに周りのことを考えられるような精神状態じゃなかったし、好きという思いだけが先行して……


誰かを好きになる気持ちって、自分でもコントロールはできない。


それはわかる。


だけど、ずっとそういう関係を続けていることに関しては……


やっぱり複雑な思いだった。