あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

「えっ、彩葉先生も保育士に憧れてたんですか?」


「そうよ。彩葉はね、ずっと保育士になりたかったけど、以前は化粧品の販売員をしてたんだよね。それも丸翔百貨店で、あの有名なitidou化粧品のだよ」


横から嬉しそうに答えてくれる弥生。


「……そうだったんですか。itidou化粧品の販売員を……全然知らなかったです。でも、だからそんなに彩葉先生は素敵なんですね」


えっ!?


「素敵」の2文字に思わず体が固まる。


「ちょっと~素敵だなんて彩葉先生だけズルい~ここにも可愛い女子がいるでしょ?」


「どこにですか?」


首を傾げてニコッと笑う理久先生。


「ちょっと! さっきの仕返し?」


「違いますよ。あの、でも……itidou化粧品の売り場にいたって……一堂って、彩葉先生の苗字ですよね」


「そうだよ。彩葉はね、itidou化粧品の社長令嬢なんだよ」