「うん、そうだよね。理久先生ならモデルでも俳優さんでも人気出ると思う」


「彩葉先生まで止めてください。僕はそういう華々しい世界には向かないですから。まあ、スカウトはありましたけど……」


理久先生がちょっと恥ずかしそうに言った。


「嘘! 本当に?! えー、マジですごいんだけど」


弥生の驚き方って、子どもみたいで可愛い。


いつもこんな感じで、ものすごく喜怒哀楽がハッキリしてる人なんだと思う。


ちょっと……うらやましい。


「たいしたことないですよ。べつに」


「聞きたい聞きたい! 今までどんなスカウトがあった?」


弥生は、向かい側に座る理久先生の目の前まで体を乗り出した。


「ちょっ、ちょっと近いです。えと、たぶんアイドル系が7回くらいと俳優が5回だったかな? あとモデルが……何回かわからないです」


「えー!」


2人で口を揃えて叫んだ。


正直、かなりの衝撃。