あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

九条グループの御曹司という重圧に日々向き合ってるだけでも苦しいはずなのに、こんなにも自分を責め続けて……


本当にごめんなさい、私のために……


でも、普段はとても冷静な人が、ここまで自分の苦しい思いを吐露してくれた。


きっと誰にも見せない弱さを、私には見せてくれたんだと思う。


この人の本質的な性格を知ることができた気がして、とても嬉しかった。


九条さんは間違いなく素晴らしい人格者で、見た目だけじゃなく、中身もとても優しくて素敵な人なんだって心から確信した。


「嬉しいです、全て知ることができて。でも、私はあの子を1人で育てると決めました。九条さんには、九条さんに相応しい女性がきっといると思います。私は一堂家の人間であり、一堂家の人間ではないんです。元々は、普通の……」


「そんなことは何も問題じゃない。一堂社長が君のお母さんを選んだように、俺も絶対に家柄なんかで結婚相手を選ばない。好きになったのが、たまたま君……一堂 彩葉だっただけのことだ」


九条さん……


本当にズルいよ、何度も何度も私の胸を熱くさせて。