あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

一緒に教室に行くこともあって、楽しんで陶芸に取り組む母の姿を見るのが、子ども心にすごく嬉しかった。


そして……


母はそこで運命の出会いを果たす。


一堂 誠之助に見初められたんだ。


超有名化粧品会社の社長だということは後になって知ったけど、笑顔がどんどん増えて明るくなっていく母を見ていればわかった、身分の違いなんて関係ないって。


きっと、母は本当に幸せだったと思う。


お互い再婚同士ではあったけど、プロポーズを受け、結婚することになり、私も新しい父と妹ができることにワクワクした。


ずっと側に母がいてくれたから、父親がいなくても寂しくはなかったけど、それでも家族が増えることはものすごく嬉しかった。


だけど……


父の連れ子である妹の麗華(れいか)は……新しい家族を歓迎してはくれなかった。


母のことを「あの人」と呼んで、決して自分の母親として認めることはなかった。