「ママぁ、パパぁ! 大~好き」


ちっちゃなスーツの紳士が可愛く言った。


周りを自然と笑顔にする雪都、あなたのことは必ずパパとママが守るから。


おじいちゃん達もいるしね。


これからも家族仲良く、楽しく元気に生きていこうね。


「九条 彩葉。俺は、君に永遠の愛を誓う。どんな時も笑っていられるように、全力で守るから」


真剣で、愛情に溢れた慶都さんの言葉。


私も、あなたを支えられるような良い妻になります。


「彩葉、愛してる」


そんな甘い声で、耳元がくすぐったいよ。


でも……


ありがとう。


九条 慶都さん、私もあなたを愛してる。


あの夜、あなたがくれた大切な宝物。


雪都を2人で守りながら、死ぬまでずっと、私の側で愛を囁いてね。


「お2人の写真、撮りますから。はい、笑顔でお願いします~」


手と手を絡ませ、体を寄せ合い、仲良くポーズ。


「最高の1枚が撮れました! 本当にお似合いのご夫婦ですね! 旦那様も奥様も素晴らしい!」


「奥様だって」


「旦那様だって」


2人で照れ笑いする。


慶都さんの手を握ったまま「この手をずっとずっと離したくない」心からそう思った。


遠い異国の地、一面に広がる青く澄み渡る空と海。


この日の光景を、私は絶対に忘れない。


ありがとう、慶都さん。


ありがとう、大切なみんな。


ありがとう……大好きだよ。