あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

「私のこと好きって言ったのは口から出まかせなんだよね? 本当は私なんか好きじゃないんだよね?」


「はぁ?」


「もしかして、その女だけじゃなくて、他にも遊んでる女とかいたりするんじゃないの?」


「だったら何? 結婚して子どももいて、俺は家族をとても大切にしてる。一生懸命働いて、休みの日は子どもと遊んで。それ以外の自分の時間に誰と遊ぼうが自由だろ? 他の女と会って何が悪い?」


開き直った態度、下劣だ。


「他の女とも……会ってたんだ。ひどいことするんだね。人の気持ちとか考えたことあるの?」


この男の態度が許せなくて、つい突っかかってしまう。


私だって……奥さんにひどいことしてたのに。


魔法が一気に解けたみたいに、今になってようやく気づいた。


「人の気持ちってなんだよ。女が向こうから寄ってくるから仕方ないだろ。断るのも悪いし」


「どうせあなたから声掛けて誘ってるんでしょ? 私の時みたいに。あの時も、私のこと好きって言ったのは嘘で、目当ては体だけだったんだ」