後になって雪都に聞いたら、保育園で慶都さんを見た時から、自分のパパだったらいいなって……子どもながらに思っていたようだった。


親子の遺伝子って、引き寄せ合うのかな。


『雪都にパパって言われた時の感動は、きっと一生忘れられないだろう。どんな言葉でも表せない、この気持ちはいったい何なんだろうな』


『慶都さん、私も上手く言えないですけど、でもやっぱり言葉にするとしたら……』


『ん?』


『この上ない幸せ……でしょうか。私と雪都は、あなたに出会えて本当に幸せです』


『ああ、結局、それが1番ピッタリの言葉だな。俺も……幸せだ。君と雪都に出会えて、この上ない幸せを感じている』


そんなことを語り合ったあの日。


父にも、慶都さんにも、そして私にも、最高の「幸せ」を与えてくれる雪都。


母親として、心から感謝したいと思った。


慶都さんのことを考えている間に、父は温かいミルクティーをいれてくれた。


子どもの頃からたまに作ってくれる甘くて優しい味が、今も変わらずずっと好きだ。