あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

「私、ここまで慶都さんに想ってもらえて幸せです。ずっと遠くから見つめていられるだけで良かったのに、今はこんな近くにいられて……これは夢なんでしょうか?」


夢なんかじゃない、目の前の俺をちゃんと見てほしい。


「最初からこうなるべきだったんだ。これからはすぐ近くでずっと君を守る。だから……」


ちゃんと言葉にして、君に伝える。


治まらない動悸を必死で隠して、息を整え……


「慶都さん?」


「彩葉、俺と結婚してくれないか? そして、可愛い雪都と3人で一緒に暮らそう」


そう告げた瞬間、彩葉は目を真っ赤にした。


「雪都は俺によく似てる。保育園で初めて会った時、こんな小さな体で一生懸命生きてるんだって思うと、この子の成長をずっと見守りたいと思った。この腕でギュッと抱きしめてやりたかった」


堪えきれずに涙を流す彩葉。


ダメだ、情けないが、俺も……


子どものことになると、親はこんなにも涙もろくなるものなんだ……


初めて、子を持つ親の本当の思いを知った気がした。