「雪都君のイケメンぶりは、あの人譲りだったんですね。僕、ずっとあなたの好きな人が誰なのか気になってました。でも聞いちゃいけないって。だけど、あの人が初めて園に来た時の態度や今日の反応を見てわかりました。彩葉さんの好きな人が誰なのか」


「……」


「ただの興味なんかじゃないです。正直、知りたくない気持ちもあるんです。だけど、あなたのことは……全部知りたいから」


複雑な気持ちを抱えながらも、一生懸命聞いてくれた理久先生には、ちゃんと本当のことを伝えるべきなのかも知れないって思った。


きっと、胸の中はすごく苦しいんだって。


だけど……


「ごめんね。今はそれを理久先生に話していいのかもわからないの。自分の気持ち、キチンと整理してからでいいかな」


本当に、これが精一杯の答えだった。


「ですよね……すみません。立ち入った質問して許して下さいね。僕はずっと待ちますから。彩葉先生のためなら僕は……」