理久先生のこと、嫌いじゃない。


もちろん、雪都は理久先生が大好きだし。


だけど、私の心の中にはずっとずっと慶都さんがいる。


雪都にとって、私にとって、1番幸せな選択っていったい何なの?


「理久先生。私の頭の中にあること、一旦、いろいろちゃんと整理して考えたいの。少し時間をもらえたら……嬉しい。わがまま言ってごめんね」


理久先生は、首を横に小さく何度も振った。


「僕には謝らないで下さい。もちろんちゃんと待ちます。でも、最後に1つだけ……プライベートな質問をさせて下さい。気に障ったら許してくださいね」


「あっ、うん……」


「雪都君のお父さんは……今日、夏祭りに来ていたイケメンさんですよね?」


直球の質問に、一瞬ドキッとした。


申し訳なさそうに唇を噛み締める理久先生。


「あっ、えっ、あの……」