あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

「……僕にはそう感じてしまいます。すごく近くにいるのに、その人は違う人を見ているようで」


理久先生は、浮かない顔つきで答えてくれた。


恋愛に関してここまで話してくれたのは初めてだ。


「そ、そうなんだ……うん、でも、理久先生の気持ち、相手の人に届くといいね」


「そうなれば……嬉しいですけどね」


沈んだ表情のまま、ほんの少し口角を上げて無理に微笑んだ。


慶都さんも……私にとっては近いようで遠い人。


弥生だってすぐ近くに相手がいるのに、その人には家族がいて。


相手を遠く感じる恋愛って、やっぱりつらいよ。


みんな、複雑な思いを抱いて誰かを想ってるんだ。


私の大切な人達には、そんな悲しい思いをしてほしくないのに……誰かを好きになるって、すごく難しいんだね。