ある梅雨のどんよりした日、俺は不安と憂鬱な気持ちで、ある中学校にいる。
自分が目指している職業には雨は似合わない。
だから俺は雨が大嫌いだ。

俺は小学生からの夢だった、中学校の体育の教師になるために光加中学校という所に教育実習生として三週間つとめることになった。
自分の目指す職業に一歩近ずいた事に俺はすごく嬉しい気持ちだ。
『雨』がなかったら。
雨は憂鬱な気持ちになるし、なんとしても気持ちがあがらない。そして一番は体育ができないこと。体育とは外でやることだと俺は思う。
そんな事を考えながら昼休み1年生の廊下に突っ立ていると、
「こんにちは」明るい少しハスキーな声で声をかけてきた。「こんにちは」俺も言いながらその子をみると、太陽のように光る眩しい笑顔が下にあった。
今の雨を消すように光っていた子はニコッと笑い俺を見ていた。
「教育実習生の先生ですか?」
我に返り俺は、
「うん。そうだよ。加納陽一よろしくね。」
と答えた。「よろしくお願いします。頑張ってくださいね!!!!」と女の子は言い、笑顔で俺を見つめた。
そんな時、「杏奈!」と友達らしき子が声をかけた。「今行く!」と言って俺に「失礼します。」と杏奈という子は教室に戻って行った。