理解不能過ぎる…!





「…ってか、俺、琉聖っての」





「…えっ?」





「ひ、人の名前ぐらい覚えろ!」





また、噛んだ。





「は、はい!琉聖さん!」





「…っ、まあ今はそれで合格だ」





今は…?





彼…琉聖さんは、顔をプイッと背ける。





「あの、琉聖さん。お聞きしたいことがいくつかあるんですが…」





「はあ、聞きたいこと…?なんだよ」





「さっき、"はるか"と家に運ぶ際、口に出してましたが、誰ですか?」




はるか…と口に出せば、琉聖さんは固まる。




「まだ、言わない」





「そ、そうですか…」





あの琉聖さんの顔が少しだけ、暗くなった気がした…のは、気のせいだろうか。





「…なあ、何か食えるものはあるか?」





「…えっ?」






「お、腹減ったんだよ!文句あるか!?」





威勢を感じる大きな声。





「文句など、一ミリもございませぬ」





この家に住んでるのって私だよね…?