次の日の朝
お母さんとお父さんが病室にやってきた。
きっと寝れなかったのだろう。
目の下にはクマができていて、お母さんの目は腫れていた。
「おはよう。」
「おはよ。お父さん仕事は?」
「今日は休んだよ。今は仕事より華の方が大事だ。」
「そっか。ありがと。」
「あぁ。」
しばらく沈黙が流れる。
「私ね昨日ずっと考えてたんだ。これからのこと。」
「うん。」
「今からわがままをふたつ言います。」
「1つ目は、やっぱり私治療受けたくない。」
「なんで…」
「今やれる事をやりたい。私はまだ走れる。ボールだって掴める。今治療を始めちゃったら私はもうバスケをすることが出来なくなる。」
「そんなの治療が終わったあとでも…」
「治療が成功したとしても手足が動かなくなる可能性があるって先生言ってた。だったら治療しないで後悔しない終わり方をしたい。」
「でも…」
「それに治療をしたとしても車椅子生活か寝たきりになるんでしょ。一生誰かの助けを必要として生きていかなきゃ行けなくなる。そんなの耐えられない。きっとそんな自分を私は自分で殺してしまう。」
「華…」
「ごめんね。お母さんたちが治療をして欲しいって言うのはわかってる。治療をした未来と治療しなかった未来を考えたけど、やっぱり治療しない方が私らしく生きていける気がするの。」
「きっと華も沢山考えたんだろうな。華の人生だ。自分で決めた道を生きなさい。俺らはそれを応援するよ。いいよな。恵理」
「えぇ。華がそこまで言うならしょうがないわ。もうなにを言ってもダメだろうしね。」
「お父さん…お母さん…ありがとう。」
