「この場所で放射線治療をすると成功したとしても手術と同様手足が不自由になったり、言語障害が出る可能性があります。
抗がん剤治療も可能ですがこの大きさだと完全に消すのは難しいかと。あと本人の相当な覚悟が必要です。
辛い治療をしても完全に治すことが出来ないと精神的にやられてしまう患者さんも少なくありません。」
「そんな…。このまま放っておくとどうなるんですか。」
「余命1年ってとこでしょう。進行具合にもよりますが、恐らく2ヶ月後には走れなくなり
3ヶ月後には重いものなどは持てなくなります。」
「余命1年って…」
「ご両親でよく話し合って治療をするか決めてください。華さんにはお伝えしますか?」
「はい。わかりました。華にはなにも言わないでもらってもいいですか。」
「わかりました。」
「では、失礼します。」
そう言って泣きやまないお母さんを連れてお父さんは診察室を出た。
