【翌日】








「あ、ともちゃん。おはよー」








「.....さちかおはよぉ。」









口元をハンカチで隠すともちゃん








なんだか話すときにモゴモゴしてる









そんなともちゃんの口元をまじまじと見てみると








銀のワイヤーに透明なブラケットが上下の歯列にびっしりと並んでた









(……………ドクン)









サチカはともちゃんの口元をみて興奮した









付けたばかりの装置で閉じきれていないともちゃんの口元はとてもだらしなかった








ともちゃんの歯列はもともと少し出っ歯だ









出た歯に装置がついているため口元のおさまりは一段と悪くなったように思う









ともちゃんは話すたびしきりに口元を隠そうとした









隠そうとするほどなんだか目立ってしまう











話すたびに口元から銀色のワイヤーがキラリと光った









本人は気にしているようだがサチカは見たくて仕方ない反動に駆られた










しかし、ともちゃんは必死に見られないように隠す








(ともちゃん、気にしてるんだ.......







装置の話題、出しにくいな






わ、わたしも装置をつけたら





あんな風になっちゃうのかな??





誰かに見られないように歯を出して笑うのを躊躇したり、、、









やっぱり装置は不恰好だな、、、、





あんなにキラキラ光るもの口の中にいれたくないな、、、、




ただでさえ歯並びが悪いのにあんなのつけたらもっと目立っちゃうし、、、、




私が矯正なんてしたら、やっぱり歯並び気にしてるんだぁってみんなに思われそうだしな、、、






でも






なんかよくわからないけど






ともちゃんの恥ずかしがってる様子






もっこりとした口元













可愛い







そして、











興奮する










わたし、何考えてるんだろ...?)











授業中、ふと席の離れたともちゃんの顔をみてみると










装置をつけたばかりの少し分厚い口元は緩み








半開きになっている








そこからは透明な四角のブラケットの姿








歯の一本一本に接着剤で固定されており









その一つ一つが一本の長い硬そうなワイヤーで
固体されている










半開きの口元からだらしなく垣間見える矯正装置は







教室の光に反射してギラギラと光っていた