「涼…
あのね、私、地元に帰ろうと思って…」



「え…」



「こっちの仕事辞めて
向こうで仕事探そうかな…
そしたら…」



そしたら涼と一緒にいれる

遠距離にならない



「え、待って…
芭、もぉ辞職届け出しちゃった?」



アレ?

涼、喜んでくれると思ったのに…



涼の気持ちは私と違った?



涼とまた付き合って1ヶ月



私はどんどん涼を好きになって

きっともっともっと好きになる



相変わらず涼は優しくて

前と変わったのは
そーだな…

めっちゃ甘えてくる


涼って
こんな人だったんだ


新しく知った涼も好き



涼の近くにいたいと思ったのに

涼は違うのかな?



いつも
芭、好きって言ってくれるのに…



もうすぐ遠距離になっちゃうよ

私たち



「私、地元帰らない方がいいかな?」



最近いつも一緒にいすぎて
飽きてきた?



ちょっと距離をおいた方がいいの?

私たち



前はそれができたのに
無理にしてたのに

今の私には無理かも…



涼の近くにいたい



「じつはさ
オレ、こっちに転勤届け出したんだ
だからもう少しこっちで仕事になる」



「え?」



「芭の近くにいたいな…って…」



「ホントに?
ハハハ…よかった
まだ辞職届け出してなくて」



涼も私と同じ気持ちでいてくれて
嬉しかった



「でも、ホント?
ホントに芭、地元帰って来てくれるの?
実家は、大丈夫なの?」



「んー…
お父さんとお母さんも
帰っておいでって言ってたし
帰ろうかな…」



それよりも何よりも

私は

涼の近くにいたいんだ



何もない地元でも
楽しかった


涼と過ごした高校生活


涼がいたから


涼と出会えたから


涼となら
きっとどこでも…



「地元帰ったらアパート借りて
オレと一緒に住まない?」



「え…」



「まだ少し先の話になるけど考えておいて…」



「うん…」



「芭が嫌だったら無理にいいけど…」



涼ってホントに
いつも私のこと考えてくれてる


一緒に住もうなんて
言ってくれると思ってなかった



「嫌じゃないよ
いつも、ありがと
私のこと心配してくれて」



「や…オレが一緒に住みたいだけ」



それはもっと嬉しいかも



「涼、こっちにはいつまでいれるの?」



「半年延してもらった」



「じゃあ、私も半年後で辞職届け出すね

こっちにいれる間は
一緒にいろんなところ行こうね」



最近はアパートでゴロゴロしてない



ひとりの時は出掛けなかったのに

涼がいると世界が広がる



こっちに何年もいたのに知らない場所

知らない楽しさがあった



「あのさ…
まだ先の話だけど
オレの仕事って転勤多くて…」



「うん…」



「芭がオレと一緒にいたいって思う日まで
一緒について来てほしい」



「それって…」



私の勘違いじゃなかったら…



「こんな形でなんだけど…
芭がいつか誰かと結婚する気なら
オレと結婚してほしい」



やっぱりプロポーズだった?



涼らしい言葉

控え目で私の気持ち優先してくれる



「うん…
いつか結婚できるなら、涼がいいよ」



「また改めて
ちゃんと言うから…待ってて…」



「うん」



これからもずっと

涼と未来を続けていきたい



私と涼の過去は過ちとは思ってない


楽しかったことも
嬉しかったことも


嫉妬も
ワガママも


辛くて流した涙も



そのことを糧にして



涼と一緒に…



「アレ?芭、泣いてる?」



「うん…嬉しくて…」



「オレも嬉しい

芭…好きだよ」



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「涼、大好き」



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続く未来も

ふたりに幸あれ‧˚₊*̥‧✧*。‧˚₊*̥✧*。‧˚₊*̥