嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???


「シャワーありがと」



え、もぉ?



「早かったね」



「そぉかな?
涼、なんか疲れてない?」



「そんなこと…
そんなこと、ないよ」



無駄な動きのせい



「芭、なんか飲む?
冷たいの?温かいの?」



「うん、ありがと
冷たいのがいい」



深瀬のネームが入ったジャージを着てる
芭を見て

いつか深瀬になったらいいな…って思った



「明日買い物行ってさ
芭のパジャマ買ってこよーよ
これからまた泊まるだろうし…」



「私、コレでもいいよ」



嬉しそうにオレのジャージを着る芭を
かわいいと思った



「それ、よかったらあげるけど…」



今更いらないか

好きな人のジャージ欲しいって
学生じゃないんだからさ



「え!いいの?」



「え、欲しい?」



「うん」



ブカブカのジャージで頷く芭を
愛おしいと思った


芭に触れたくなった



「髪乾かす?ドライヤーあるよ
オレ乾かそうか?」



「え、いいよ
なんか恥ずかしいもん」



断わられた



「いつもカノジョの髪、乾かしてあげてたの?」



「いや…
ショートだったから
ドライヤー使ってなかった」



「へー…そーなんだ
イメージと違う」



「イメージってどんな?」



「美人で綺麗で…
大人っぽくて…女性らしくて…
私と正反対の人」



「男っぽくて、サバサバしてたかも…
まぁ、芭と真逆
言いたいこと言うし
わかりやすくていんだけど…」



でも
笑い方がなんとなく芭に似てた

周りがみんな楽しくなる笑い方



「そーなんだ
ふたりでいるとどんなカンジ?
年上カノジョだと涼が甘えたりするの?

あ、ごめん
聞かれたくないか…」



芭はよく
元カノの話を聞いてくる


話してもいいけど
聞いたらまたヤキモチ妬かない?



「別に、ぜんぜん普通」



特別甘えたりとか甘えられたりとか
そんなことなかった


5年付き合ったけど
まぁ普通のカップル


三者三様 百人百様
普通ってないと思うけど…



「ハハ…普通ってなに?」



「ハハ…だよね…
ベタベタし過ぎず
まぁ、いいカンジ…」



適当に誤魔化した



「ふーん…
結構、ドライだったんだね」



芭、なんか不満?

それとも不安?



オレたちはオレたちらしく
付き合っていこうよ



で…
芭は?



「オレも聞いてもいいの?
芭のこと」



「私のこと?」



「うん
芭がどんな人と付き合ってたか」



オレも気になってた

芭の元カレってどんな人なのか



そんなこと聞いて
めっちゃいい人だったり
すげーイケメンだったりしたら

凹むクセに



「私…私ね…」



「あ、言いたくないならいいよ」



聞くのも少しこわくなった


なにビビってんの?
オレ



「言いたくないわけでもなくて…」



「うん…
ごめん、無理にいいから…」



ほらオレのせいで空気悪くなった



「私ね…
涼としか、付き合ったことない」



「え…」



「ひいた?」



「や…
意外だったから…」




大学時代こっちで何してた?


普通にモテるだろ

声掛けられなかったの?


合コンとか行ったことないって
言ってたけど…


こっちに来てカレシのひとりやふたり
いたと思ったから聞いたのに



「新しいカレシできたら
涼のこと忘れられるかな…
あきらめられるかな…
と思ったんだけど、なかなかできなくて…」



恥ずかしそうに頷いた芭が尊い



「オレ、芭によく思われてないと思ってたから
なんか嬉しいかも…」



なんか嬉しいって言うか
めちゃくちゃ嬉しいかも



「それなのに
涼と再会したのに変に距離取ったり
大嫌いとか嘘ついて…

また会えると思ってなかったし
またこんなふうに
涼のカノジョになれると思ってなかったな…」



「うん、オレも思ってなかった
芭がまたオレのもとに返ってくるって…」



「ハハハ…
失くした落とし物が戻ってきたみたいな言い方」



「ハハハ… そーだね
でもホントに
大切にしてた物がみつかったみたいな…」



ずっとオレたちって
想い合ってたってこと?



あの時
ちゃんと話してたら
別れなくてもよかったのかもしれない


大切な人
失わなくてよかったのに…



「相手を傷付けないためにつく嘘って
ホントはすごく相手を傷付けてるよね
ごめんね、涼」



「それは
オレがそぉさせてしまったことだから
芭は悪くないよ

自分の気持ちに嘘つくのが1番つらいよ
芭が1番辛かったよね」



オレたちずっとすれ違ってた


ホントは好きなのに

相手を想ってたのに


芭の嘘は
オレのためについた嘘

芭、きっと苦しかったよね



芭の頭を撫でた



「あ…泣くな
泣くなよ、芭

オレ、芭泣かせるのが1番辛い」



芭の目から涙が頬に落ちた



「だって…
涼いつも優しんだもん

ごめん…大好き…」



「ごめんの場所、間違ってる」



「ハハ…大好き、涼…」



笑いながら芭は涙を拭った



我慢できなくて芭を抱きしめた



あ、もぉ我慢することもないのか…

オレたち付き合ってるもんね



「芭、もぉ嘘つかないでね」



「うん」



オレの胸に芭が頷いた



「笑ってる芭が好き」



「じゃあ…笑ってるね」



「うん、約束ね…」



「うん…約束…
もぉ悲しい涙は流さない
嘘もつかない

今のは、嬉し涙ってことで…」



芭が小指を出した



「オレも、芭に悲しい思いさせない
約束…」



芭を抱きしめたまま小指を交した



芭の目は涙でキラキラしてた


きっとオレたち
今度は幸せになれる気がする



「芭、改めて…好きだよ」



「ハハ…なんか照れるね」



芭が笑ったら小指に力が入った



「痛ててて…」



「ハハハ…ごめん、涼」



笑ったら
芭の目から嬉し涙が溢れた



その笑顔が
その笑い声が

ずっと続くように…



「芭…」



ーーー



繋いだ小指にキスをした



「涼…好き…嘘じゃないよ」



「うん、信じてる」



ーーーーー



今度は唇に



ーーー

ーーー

ーーーーー



ダメだ

キス、止まんない



「芭…ベッド行く…?」



「うん…」