嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???


「適当に買ったから
草薙、先に選んでいいよ」



「ありがと
んー…
照り焼きチキンのおにぎりは深瀬のだよね
いつもそれ食べてたもんね
まだ好きなんだね」



「いつもは鮭と明太子だよ
なければシーチキンマヨネーズ」



「え?そーなの?
食べすぎて食べ飽きたとか?」



「いや…
今もたまに食べるよ」



知らなかった

深瀬のこと結構知らないな、私


1年ちょっと付き合ったぐらいじゃ
こんなものなのか…



「私、コレ
生クリームメロンパンもらってもいい?」



「草薙
絶対、それ選ぶと思った」



深瀬は私のことよく知ってる



「いただきます」



「飲み物もあるよ」



「うん、ありがと
ん?
鮭と明太子のおにぎり買わなかったの?」



「うん
草薙、魚の匂い嫌かな…って」



「え!それで?
それで私といる時は
いつも照り焼きチキンだったの?」



「うん
でも照り焼きキチンも好きだし」



「別に匂いぐらい大丈夫だよ
ほら、この前もホッケ焼いたし」



「付き合ってた時はさ
キスとかしたら、味するかな…って…」



キス?…

魚の方のキスじゃないよね?



それ朝からする話?



今日も熱い



「え!そんなこと考えてたの?」



「高校生の時なんて
そんなことしか考えてないよ」



今だから言えるのかもだけど
私は今でもそんなこと言われたら
照れるよ


その響き
久々に聞いたし


深瀬としてたんだ、私


私、顔赤いよね?
まだ日焼けで通用するかな?



「深瀬って、やっぱり優しいね
私が魚の味したら嫌かな…って
ちゃんと考えてくれてたんだ」



照れないで言わなきゃ

高校生の時の話だし…



「ただ、芭とキスしたいな…って
思ってただけだよ」



芭…

昨日手を繋がれたのを思い出した



昨日はあのまま

深瀬に手を繋がれたまま寝てしまった



ドキドキしたけど
なんか安心したんだ



昨日はキスしてないよね???

手繋いだだけだよね?



「昨日、私だけ布団で寝て
しかも寝ないって言ったのに先に寝て
ごめんね」



「床でゴロゴロするの慣れたから大丈夫」



深瀬
手を繋いだことには触れないんだ



「深瀬、いつもゴロゴロしてたの?」



「うん、毎週アパートでゴロゴロしてた」



「深瀬ひとりで?」



「ゴロゴロするのに人誘わないだろ」



「つまんないって深瀬言ってたのにね」



「うん
つまんないけど…
草薙来るかな…って…」



深瀬、私のこと待ってた?


また都合のいいようにとってしまう



「別に私のマネしなくていいよ
このメロンパン美味しいね」



「草薙、クリームついてるよ」



「え、ウソ…」



深瀬が近くなって
意識した



ドキン…



「鼻」



え…



「口じゃなくて鼻」



「あ、鼻ね…」



芭じゃなかった



キスされるのかな…って

目まで閉じたのにされなかった



恥ずかしい



鼻についたクリームを
深瀬に渡されたティッシュで拭いた



気不味すぎる