「草薙、間に合う?
お盆で電車の時間変わってないかな?」
駅が見えてきた
駅前でも
都会と違って人がいない
「うん
さっき調べたけど大丈夫みたい」
「ごめん…」
「ん?なにが?間に合うよ
送ってくれてありがとね」
「オレ…
間に合わなきゃいいのに…って一瞬思った」
「ひどい
深瀬でもそんな意地悪なこと思うの?
私、深瀬に嫌われたか…」
「逆…」
「え?」
深瀬が私の手を掴んだ
「今日、無理に帰らなくていいじゃん
向こう戻ったら
草薙、また会ってくれないだろ
…
草薙の実家にいずらいなら
アパート片付けたからそこにいなよ
まだ冷房もつくし、シャワーもできるし…
…
あ…ごめん…
元カノのアパートとか
デリカシーなさすぎだよね
…
草薙がオレの嫌いなところ
こーゆーところでしょ」
深瀬が掴んだ私の手
強引でいつもの深瀬と違った
いつもは、ただただ優しいのに…
どーしたの?
深瀬
カノジョと別れて
ホントはまだ寂しいの?
「嫌いじゃないよ
私、深瀬のこと嫌いじゃないよ
…
嫌いなところなんて
ないかも…
…
いつも優しくて
誰にでも優しくて
みんなに人気があって
いつも周りに人がいる
…
なのに私はワガママで…
自分のことばっかりで…
…
私には
もったいないカレシだったよ」
今のは
全部ホントの気持ち
「草薙は…
オレの近くにいてくれなかったじゃん
…
向こうで再会して
オレ、嬉しくて…
また会いたくなって…
…
カノジョいるのに会ってたのは
悪かったけど
…
草薙、オレと距離とってたでしょ」
深瀬
どーしたの?
私のこと責めることなんて
なかったのに…
「ごめん…
…
嫌いだから距離とってたわけじゃないよ」
「や、ごめん…
謝ってほしいわけじゃなくて…
…
別に草薙が悪いわけじゃなくて…
…
ごめん
電車の時間だね」
深瀬の手が私から離れた
「向こうまでは送れないから
気を付けて帰って…」
いつもの優しい深瀬
深瀬に掴まれた部分が
まだ自分の体温に戻らない
深瀬
離さないでよ
またワガママ言ってもいい?
「深瀬
カノジョのアパート、行ってみたい」
まだ一緒にいたいと思ってしまった



