2.

あれから1ヶ月家事、育児、学校で忙しい中やっと愛空も保育園に慣れてきて、私にも余裕がではじめた。そろそろどっかお出かけ連れてってあげたいな……
引っ越してからずっと出掛けれてなかったんだよね。でも、たまにはお出かけしなきゃスーパーだけじゃ愛空も楽しくないよね
[愛空明日日曜日だからデパート行こっか?]
パァァァァァァ
[うん!]
キラキラした笑顔で嬉しそうに返事をする愛空。もっと早く連れてってあげればよかった

[おっきぃ……]
[デカイね笑どこから行こーか]
前住んでた所はド田舎。こんな大きいデパート初めてだよね。
[愛空の服見に行こっか]
成長が早いからすぐ小さくなるんだよね。
その小さくなった服見てまた大きくなったねって嬉しくなるんだけどね。
[行く〜]
[あっ!ちょっと!ママのおててちゃんと繋いでて?迷子なるよ?]
[はーい]

いっぱい愛空の服を買えた!
よかった〜
[[[[[[[きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあ]]]]]]]
え、何?芸能人とかいたりして〜
[龍愛様達だわ][大翔様もいる!][朝陽さまー]
[近づきになりたい][なにあの美形ぞろい……]
やばい……ここから離れないと
[愛空。ママちょっと疲れちゃった。外で休憩しない?]
コクン
[ありがと]
抱っこしてそこから離れようとした時……
[え?麗華?]
やばい………………
どうしよ
[は?え、麗華ちゃんじゃん!]
[大翔、朝陽……久しぶり……?]
愛空の顔があんまり見えないように隠しながら、振り返った。そこにはびっくりした見慣れた顔。
龍愛……
[麗華……ほんとに麗華?]
[大翔。ごめんね?でも、今忙しいから……じゃ、]
どーでもいいからとにかくこの場から離れたかった。
[待って……その子……誰の子……まさか龍……]
[違う!!違うから……そんなわけないでしょ?とりあえず忙しいからごめん。]
朝陽の言葉を遮って。
ダメなの。愛空のことは絶対教えない。
[あー、忙しいなら俺が送る。家どこ?]
[いや、いい]
[俺だけや、龍も朝陽もこれから用事あるねん。
俺も忙しいやからさっさと乗って]
これ以上何言っても無駄だね。
大人しく車に乗り込んだ。
龍愛……私の事最初驚いて見てたけど、そのあとは興味無くしたみたいに一切こっち見なかったな……
[さて……俺梨花に何も聞いてないんだけど。]
そう、梨花は大翔の彼女。だから梨花には離れる時何も言えなかった。私がこの地を離れたのはあんた達から逃げるため
梨花が知っていればいつか大翔の耳にも入る
そう思ってた。でも、あの話をして、梨花は大翔に私の事内緒にしてくれてたんだね。ありがと。
[だって、言わないでってお願いしたの私だもん]
[へーそっか。で、その子龍の子でしょ]
[なんでそう思うの……]
[小さい頃の龍そっくりすぎてびっくりしたわ]
やっぱり……愛空は私にあんまり似てない
完全にパパ似ってこと
[なんで言わなかった]
急に低くなった声
怒ってる……
[言っても何も変わらない。龍愛には小百合さんがいる]
[いや、あいつは……あいつは…………]
何よもう……
[まー、いい。もう終わったことだし、この子は私1人の力で育てる。]
[ちょ、あ、待てよ!]
赤信号で車から降りて歩く。
もう家がすぐ目の前だから。
[お前……家ここ?]
[うん]
[馬鹿か!ここめちゃくちゃ治安悪いんだぞ?知らなかったのか?本気で馬鹿なのか?]
[知ってる。でも、安いから]
そんなのとっくの前から知ってる。でも、お金無駄にしたくない。お母さんの貯金や保険金をこれ以上使いたくない……でも、使わなきゃ生活出来ないから。お母さんが私達にって貯めてくれたお金だから。
[ほんっとにお前は、相変わらずだな。]
[何言ってんの……送ってくれてありがと。じゃーね]
バタン
はー、疲れた
[ママ……?]
あ、いけない
愛空の前では笑顔笑顔
[なーに?ごめんね?ママと一緒におやつ食べよっか?]
[うん!]
愛空とおやつを食べて昼寝をさせたあと、
あの頃の記憶が蘇る。 やだ。苦し。痛い。悲し。
あー、ダメだ……
プルルルルルル
[はーい?どーした?]
耐えきれなくなった私は梨花に電話
[グズッ……梨花……]
[え、ちょ、そこ家?]
[うん]
[リョーかいっ]
私にとって頼れる人はもう梨花しかいない

[どしたの?]
[龍愛に会ったの。なんか、色々思い出して、しんどくなっただけだよ。もう大丈夫]
[あのさ?来週土日麗華1人で過ごしてみたら?]
[は?]
何言っんの?どーゆー事?
[多分ママだからって切羽詰まりすぎてんじゃないの?たまには1人でゆっくりの時間も大事だよ。来週愛空君家で預かるからゆっくりしたら?
1人で買い物とか、ブラブラするの好きだったじゃん?]
確かに。私は一人の時間も好きだった。ボーッと時が流れるのを見るのが好きだった。
[でも、梨花に迷惑だよ]
[何言ってんの?迷惑ならいちいち提案しないし。
1回離れたら愛空の大切さも改めて分かるんじゃない?]
[分かった。ありがと]

とうとう、土日が来た
[愛空梨花お姉ちゃんの言うこと聞くんだよ?]
[うん!]
朝早く梨花の家に向かった愛空
行っちゃった……
朝ごはんの洗い物、洗濯、掃除
この部屋こんなに静かだっけ?愛空が賑やかにしてくれてたんだね
お昼を食べて、ごろごろするけど愛空心配だな……泣いてないかな?楽しんでるかな?

夜ご飯どーしよ
作るのめんどくさいな……
久しぶりに外食しよ〜
選んだのは繁華街のラーメン屋
ラーメン好きなんだよねー
[お待たせしました。ラーメンです]
ラーメンを美味しく食べた帰りお腹がパンパンで大変笑
ガチャン……ガタンッ……
え、何?通路のわき道からものすごい音がした
人が殴られて……鉄パイプ……????は?なんでそんなので殴ってんの?
[警察呼びますよーーーー?]
[[[は?やっべ]]
そう言って逃げていった
やられてたその子を見ると、うわ……めちゃくちゃ綺麗な顔……に傷……
手当てしなきゃ……
近づくと、
[来るな……近づくな]
と、言われ、でも、それ絶対痛いよね?うん。だって、ぱっくりいってるよ?
[うるさい!んな事今どーでもいいの。あんたは今自分の傷の心配しなさい!]
は?みたいな顔の男に離れないでと牽制し、家に1度帰ってその子の手当てをした。最初は嫌そうだったのも終わった後には
[ありがと……]って、可愛いとこあんじゃん〜
[ガチャン]カツカツ
足音が聞こえる。さっきのやつら戻ってきた?
……パシッ
[え…………龍愛っ?]
殴ろうとしたその手を龍の手で止められていた
パッ
咄嗟に手を離し[なんでいるの?]と聞けば[こっちのセリフだ馬鹿]と、後ろでは大翔と朝陽が爆笑してる。何が面白いの……?
[若……俺が悪いんす。俺が殴られてん時止めて、手当てしてくれました]
え、この子こんなに敬語使えるの?それがびっくりなんだけど
[ん、ありがと]
[いいよ。私が好きにしただけ]
[ねーねー龍、麗華助けてくれたんだからお礼しよーよ!]
[好きにしろ]
いや、帰りたいです
帰って寝ます
[ごめん。帰ってやる事あるから]
[そっか〜じゃーまたね〜]
またなんかいらない。なくていい。二度と会いたくないから……

[あ、いないのか……]
横見たら愛空居なくて、あの頃みたいに愛空も起きたらいなくなってたらどうしよって怖くなった
梨花に昼前に迎えに行くと、LINEして迎えに行く準備をする

[愛空…………]
私が泣いてどーすんだよ……! !!
[ママーグズッ……会いたかった]
[ママもだよ?]
[ね?改めて分かったでしょ?どれだけ愛空が麗華の中で大きな存在なのか]
[うん。ありがと]
お礼を行って家に帰った。
やっぱり愛空がいる部屋は賑やかで楽しい
この日は2人で早めに寝てしまった
おやすみ愛空

愛空、ママね?
愛空が居れば怖いこともなんにもないんだよ
愛空が居ればそれだけで楽しんだよ
愛空はあの人との大事な子供
愛してるよ