1.

ヒピピピピピピピピピピピガチャン……
6:30
眠……
朝ごはん作んなきゃ
起きて顔洗って歯磨きそして朝ごはん作り
そして……
[愛空(アイク)起きて〜]
[ん……]
[愛空今日から保育園だよ?着替えしよね?]
[ママ……抱っこ……]
[はいはい。でも、寝ちゃダメだよ?]
コクンと頷いた愛空を抱いてリビングまで運んで、
[ご飯食べよ?]
眠そうな愛空と朝ごはんを食べてると
プルルルルルル
[はい]
[もしもし?今日から学校来るんでしょ?道わかる?大丈夫なの?久しぶりに連絡来たって思ったら編入したいだなんて……会ったらとことん話聞かせてもらうからねっ]
[花梨……ごめんね?ありがと。道は分かるよ。大丈夫。ありがと。]
[リョーかいっ。じゃ、また後でねー]
[はーい]
ふー……
梨花は中学の頃からの友達
私の事誰よりも分かってくれてる子
[愛空〜ママがお皿洗ってる間にお着替え持ってきてくれる?]
[はーい]
もう守ってくれるママも居ない
私が愛空を守らなきゃ
着替えがすんで古いアパートを出る
愛空を保育園に連れていったあと高校に向かった。
[あの……今日から編入した一ノ瀬なんですけど……]
[あー、はい!一ノ瀬さんね!2年c組に行ってちょーだい]
え?着いてきてくれないの?
[あ、ホームルームに一緒に行った方がいいかしら?]
当たり前だろっっ!
[お願いします]
廊下を歩きながら思ったんだけど……
なんでこんなでかいの……??
この学校は梨花のパパが経営してる学校
だから入れたんだけど、こんなでかいってパパどんだけ金持ちなの笑
[えー説明しますね〜
転校生の一ノ瀬麗華ちゃんです。仲良くしてくださいね〜]
([うわ……可愛い……][すげぇ美人じゃん])
[よろしく…………]
あ、梨花同じクラスじゃん!ラッキー
[じゃ、一ノ瀬さん後ろの真ん中の席ね]
[はい]
後ろでよかった〜
寝放題だ!
[麗華〜久しぶりぃぃぃぃぃぃぃ]
痛い……痛いから……首閉まってますよ
梨花様……
[あっごっめーん!痛かった……?]
わざとでしょ……
[んで、昼に聞かせてもらうから覚悟しててねー♥]
それだけ言って席に戻っていった

[さーさー、麗華ちゃん?中庭行きましょうか]
[はいはい……]
中庭で中3でここ地元をなんで離れたのか離れて何があったのか何をしてたのか愛空のことも全部話すことにした。

中1の春一目惚れをした男の子がいた。
不良のグループの中の総長だって言うその人は、誰よりも顔が綺麗で、誰よりも冷たい瞳をしていた。その人の名前は橘 龍愛。唯一愛した男
一目惚れしたと言っても、声なんてかけれるはずもなく夏がすぎそうになっていた。
そんなある日。
学校からの帰り道
[お姉ちゃん可愛いじゃん。兄さんとたのしーことしよーよ。]
あー、これヤバいやつ…??
[急いでるんで…]
[すぐ終わるって〜]
[おい。てめぇら何してる]
[あ?誰だテ… や、やばい… に、逃げるぞ]
あー、よかった。
[………い…おい!!]
はっ……
[はい!]
顔をあげた瞬間気づいた。助けてくれたのはずっと好きだった橘龍愛だった。
それから、学校ですれ違う時に話しかけてくれるようになり、距離が縮んだ。
クリスマスの日告白された時はもうほんとに嬉しかったっけ?それからは毎日幸せな日々だった。
色んなところに行った。遊園地、水族館、デパート…… 龍愛といるだけでずっと幸せだった
春休み中の4/22は龍愛の誕生日。
初めてひとつになった日。ほんとに幸せだった。
ずっとそんな日々か続くと思ってた。でも幸せはそんな長く続かなかった。
中3になる春休み。
とても綺麗な人が家に訪ねてきた。名前は子百合さん。
[初めまして。龍愛の婚約者の子百合と申します。
唐突で申し訳ないんですけど、龍愛から手を引いてもらってもいいですか?]
[いや、やだ!]
[では、龍愛がどうなってもいいんですね?
龍愛の家は極道ですよ?お父様とは言え、組長に逆らえば龍愛が何をされるか分かりませんよ?]
いや、いや……
頭が真っ白になった。何も考えられなかった。
その日の夜ままに相談した。何回も何百回も考えた。でも私は弱かった。戦う覚悟なんてなかった。だからママとこの街を出た。龍愛には嫌いになったから別れてとLINEを入れてその携帯も解約した。
この街を出て1ヶ月たった時、私の中に小さな命が宿った。信じられなかった。でもそれ以上に嬉しくて涙が止まらなかった。この子だけは守ろう。何があっても。そう決心した。
それから2年。
ママが病気で他界した。
もう頼れるのが梨花しかいなかった。

[なんで……なんでもっと早く頼ってくれなかったの……グズッでも……最後にって頼ってくれてよかったグズッ…………]
梨花……ありがと……
これからはめちゃくちゃ頼るね
梨花との久しぶりの昼ごはんは涙でしょっぱかった。でも、凄く美味しかった

[麗華〜一緒に帰ろ〜]
[いいけど、迎えいかなきゃ]
[あー、愛空くんね!梨花も愛空くんに会いたい〜]
2人で愛空の迎えに行った。
[グスッ……フェ……ン……ママ……フェン……]
保育園に着くなり泣きながら抱きついてきた愛空
[ママが大好きなんですね。朝は大丈夫だったんですけど、お昼寝して起きたらママいないって泣いちゃって……]
苦笑いしながら教えてくれた先生
[すみませんでした]
[いえいえ。初めてなんでこれからなれて行きましょう。今日は頑張ったし、いっぱい甘やかしてあげてください]
[はい。そのつもりです。ありがとございました]
そう言って愛空抱っこして保育園を出た
[んふふふ……麗華もママなんだね。凄いね]
[ほんとかな?ありがと。]
本当はちゃんとお母さんやれてるか不安でいっぱいだった。
[だって、愛空君がこんだけ懐いてるってそれは麗華がちゃんとママやってるって証拠だよね]
こんなにすぐ不安を取り除いてくれる梨花はやっぱり凄いね
[ありがと。]
家に着いて、荷物を片付いてると、
[愛空くん初めまして!!ママの友達の梨花だよ?
よろしくね?]
[うん!]
そう言って2人で仲良く遊んでる。
とても微笑ましい……可愛い……やばい……
ダブル可愛いだよ
[梨花夜ご飯食べてく?]
[えーいいのー?麗華のご飯好きなんだよねー]
[あいくもままちゅき]
[ありがと。ママも愛空好きだよ。ご飯作るまで梨花姉ちゃんと遊んでてね?]
[はい!]
愛空の頭を撫でてご飯を作る
今日愛空頑張ったし、愛空の好きなハンバーグにしよーかな
[出来たよー]
[[はーい]]
3人で囲んで食べるハンバーグは美味しくて、梨花は愛空と風呂に入って帰っていった
遊び疲れた愛空はもう爆睡しちゃってる。可愛な…

スヤスヤ眠ってる愛空を見て思う
この子だけは守る。
何があっても
私の宝物だから。愛してるよ……