「遅れてすいません〜」

謝っているのか分からないような謝り方で奴は入って来た。

はあ〜奴がこの会議にさえいなければ、少しは楽しいんだけどな・・・

里沙の気分は最悪だった。

里沙！今こそ切り替えよ！切り替え！！

そう自分に言い聞かせた里沙は奴に向かって完璧な営業スマイルと口調をむけた。


「あら、大滝さん朝から大変でしたね。会議が始まらないので着席していただけるかしら？？ ごめんなさいっ」

里沙は完璧だった・・・・・

「あ〜悪いねマドンナ！ 電車が遅れちゃって・・君の横でいいんだよね？」


マ・・・・マドンナなんて気持ち悪い。
奴が言うとここまですべてが気持ち悪くなるのか！


里沙はそんな自分に嫌気が注してした・・・完璧に切り替えられない自分に。



「マドンナどうしたんだよ？怖い顔しちゃってっ、会議始まるぜ！！」


誰のせいだと思っているのよ！！

と里沙は内心で悪態をつきながら、会議に意識を切り替えて行った。


「え〜で我社の今月の営業成績が過去最高を記録し・・・・・・・」


里沙にとっては余り重要な会議ではなかったため、なかなか身の入らない里沙だったが開始から3時間がすぎやっと会議は終了した。

ただ今14時30分昼に行くにも、皆食べ終わっている、「どうしよう・・・」


柄にもなく弱々しく呟いた里沙は、実のところ里沙は結構淋しがり屋だった。