カレシが嫉妬を覚えたら

緊張して息の詰まるような心地だったけど、リビングに入ると心境は一変した。


観葉植物が所々に置かれた、開放感のある明るいリビングに、煌くんのイメージと違うな、なんて思ってしまった。


なんとなく、煌くんって感情が読みにくいせいかミニマリストな印象があったから。


それともこれはご両親の趣味なのかな。



「えっと、ご両親は?」

「……仕事。午前中だけ抜けられたから試合見に来てくれたけど、もう職場にいると思う」

「そうだったんだ」



煌くんの両親のことは何も知らない。


ただ、煌くんと同じ中学校だった人はみんな口をそろえて綺麗なお母さんだったと言っていた。



「ゆづ、髪乾かしてくるから端の方に座って待ってて」



煌くんのお母さんに思いを馳せていると、煌くんがリビングのソファと指さして廊下の奥に進んだ。