カレシが嫉妬を覚えたら

憂いを帯びた表情からにじみ出る色気に衝撃を受けて、私はせっかく買った差し入れを袋ごと落としてしまった。



「ゆづ?」

「あ、えっと……おつかれさま」



すぐ拾ったけど、動揺して硬直した。


シャワーを浴びた煌くんがこんなに色っぽくなるなんて聞いてない。


思わず食い入るように煌くんの綺麗な顔を観察した。



「うん、おつかれ」



でも、明らかに元気がない返事にすぐ正気に戻った。


そうだよね、全力を出し切った試合の後だもん。


それでも弱ってる姿を見せてくれて嬉しい、なんて邪な想いを抱いてしまう。


私はその思いを振り切るように首を振り、靴を脱いで部屋の中に進んだ。