カレシが嫉妬を覚えたら

駅に向かう前に会場を覗くと、煌くんたちはもうユニフォームを脱いでジャージに着替えていた。


顧問の先生を囲んでみんな泣きながら静かに話を聞いている。


大事な話だろうから、邪魔したら申し訳ないな。


私は差し入れにちょっとしたものを買ってからゆっくり煌くんの家を目指すことにした。


30分後、〈家に着いたよ〉と連絡を入れると〈開いてるから中に入って〉と返事が来た。


あれ、結局煌くんが帰ってくる方が早かったみたい。


煌くんの家は住宅街の一角の白い壁の家。知ってはいたけど、まさか私が招待されるとは夢にも思わなかった。



「お邪魔します……」



玄関には煌くんの靴以外置いてない。ご両親は出かけてるみたい。



「ごめん、急に呼び出して」



すると、濡れた髪の煌くんが玄関に現れた。