カレシが嫉妬を覚えたら

「かわいい、どこ行きたい?」


顔を隠しても、煌くんが息をするようにかわいいと言うから全然熱が引かない。



「異性とデートとか、初めてだから私には未知数だよ……」

「初めて?」



初めてと言葉に出すと、煌くんは食い気味に訊いてきた。



「うん、だって煌くんが初めての彼氏だよ」

「よかった、俺が初めてで」



めんどくさがられるかな、と思ったけど杞憂で、煌くんは顔を綻ばせて安堵していた。



「不慣れなことが多いから、お手を煩わせたらごめんなさい……」

「なんで?ゆづの初めては全部俺がいい」



どうして安心したのか謎だったけど、そういうことらしい。


赤面するより前に驚いて立ち止まった。


ひょっとして煌くんって、独占欲強かったりする?


いや、まさかね。私が美人だったらまだしも、誰も狙わないような平々凡々な人間だもん。



「じゃあ俺が考えるから。体育祭終わった辺りでデートしよう」

「うん、楽しみ。よろしくお願いします」



とにかく楽しみがひとつできたからそれまで頑張れそう。


私は煌くんに頭を下げ、並んで笑顔で家路についた。