翌日、待ちに待ったインターハイ予選4回戦。
勝てばベスト8の試合で、満を持して我が校のハンドボール部がコートに立った。
会場は私立高校の大きな体育館で、両チームの応援にたくさんの人が駆けつけていた。
相手は光のお兄ちゃん、凱くん率いる工業高校。
彼らは去年、4回戦目で敗れてベスト16に終わっているため、悲願のベスト8入りを目指してこの試合を勝ち進もうと対策をしてきたらしい。
「光、いいの?最前列で凱くん応援しなくて」
凱くんにとっては大切な試合。
だけど妹の光は、今日は工業高校サイドの観覧席には行かず、少し離れたところで観戦していた。
「いいの、今日は両親も来てるから、これ以上は兄貴もプレッシャーになると思う。意外と肝小さいから、あいつ」
冗談めいたことを言って笑う光。その笑みの違和感に気が付いたけど、理由までは察することができなかった。



