「見た?佐野さん玉砕してんのウケる」

「遊馬くんのこと、早く諦めてくれないかなぁ」



そんな私を見て廊下でクスクス笑っているのは、煌くんと同じクラスの女子たち。


分かってる、同級生にも後ろ指さされてバカにされるような私じゃ、釣り合わないよね。


知ってたから、もう頑張らない。


私はひとりでとぼとぼ学校を出て、カバンからスマホを取り出す。


そしてメッセージアプリを開いて“別れたい”と文字を打った。


後はこれを送信するだけ。


だけど指が震えてうまく送信ボタンが押せない。