カレシが嫉妬を覚えたら

背の高い煌くんの後ろからひょっこり姿を現した冬斗くん。


私の姿を見かけると、そのまんまるの目をさらに見開いた。



「あ、佐野ちゃんいたんだ。煌が大きいからすっぽり隠れて見えなかった」



私のことを委員長と呼んでいた冬斗くんは、佐野ちゃんと呼んでくれるようになった。


本当を響きがかわいいからゆづちゃんって呼びたいらしいけど、煌くんが嫌がるから佐野ちゃんに落ち着いたらしい。



「ごめん、邪魔した?」

「いや、大丈夫」



冬斗くんが入ってきたことで話す気力を失ったのか、煌くんは私に背を向けて、廊下の奥に立っているハンドボール部の顧問の先生に近づいていく。



何が言いたかったんだろう。私はモヤモヤを心のうちに残したまま、教室に戻った。