煌くんは眉根を寄せて、私の顔をじっと見つめる。


何か伝えたいことがあるのは分かったけど、言いにくいことなのかな。


もしかして、気が散るから試合には来ないでほしいってこと？


元カノの先輩の話を小耳にはさんだことがある。


煌くんの試合を応援しに行くって言ったらものすごく嫌な顔をされたって。



「ゆづ、来週の試合……」

「煌～、顧問の先生が呼んでる」



来ないで欲しいなら、ひと思いに突き放して。


私は都合のいい彼女役だとわきまえているから、煌くんの邪魔になることはしない。


ついに口を開いた煌くんの言葉を待っていたけど、突然聞こえてきた冬斗くんの声に言葉の先をさえぎられてしまった。