「委員長、そこに突っ立ってどうしたの。帰らないの?」

「あ、うん……帰るよ」



ふと、クラスの人に声をかけられて現実に引き戻された。


そうだよ、いくら煌くんのことを語ったって私じゃ彼女として役不足。


流されて学級委員長を引き受けるような私、佐野柚月(ゆづき)とは正反対だし。


勝手に憧れて、私から告白して、付き合ってくれた煌くん。


好きじゃないって分かってたけど、諦めきれなかった。


でも、結果的に今は苦しい。


憧れて淡い気持ちを抱いているだけで良かったのに、どうして欲張ってしまったんだろう。