カレシが嫉妬を覚えたら

「この部屋使えるのは図書委員の特権なんだ」

「こんな部屋あったのか」

「うん、しかも冷暖房完備だよ」



煌くんは秘密基地を見つけた子どもみたいに部屋の中をきょろきょろ見回す。


大人びた煌くんの、年相応の反応が見られて得した気分になった。


机に座ると煌くんは正面に座って教材を取り出す。


勉強会がスタートして、テスト範囲の古文と漢文の内容を読み解いていくことにした。


出題範囲の古文と漢文の物語が分かれば赤点にはならないはず。


煌くんは理系だから古文と漢文は現代文を解いた後の選択科目だったと思うけど、一通りどんなストーリーなのか教えて、当日の問題を見て解けそうな方を選んでもらうことにした。



「先生よりよっぽど分かりやすい」



煌くんはぽつりと呟いて褒めてくれた。


古文や漢文は暗号を解くみたいで好きだから、と理由を伝えたら「俺には一生理解できない」と笑う。


おかしいな、煌くんってこんなに表情豊かな人だった?


ずっと惑わされっぱなしなのに、胸の奥があたたかくて心地いい。