カレシが嫉妬を覚えたら

「っ、ねえ、ここ学校……」



暴走気味な煌くんを止めようとしたその時、バタバタと足音が近づいてきた。



「遊馬先輩どこ!?」

「絶対こっちに来たのにいないんだけど!」



数人の女子の声と足音。どうやら煌くんを探しているらしい。


私は既視感のある状況に、ふと去年のことを思い出した。


たしか去年も、群衆と化した1年生たちが煌くんを探して校内を走り回っていたような。


私たちの高校は、入学式のあとに一定の自由時間がある。


その隙に学校一のイケメンの煌くんと会いたいと、煌くんのクラスは去年も人だかりができていた。


煌くんはそういう下心のある女子は苦手だから、それから逃げてきたのかな。


だとしたら私、煌くんの彼女って理由で目の敵にされないかな。


やだな、去年の体育祭みたいに嫌がらせに遭ったら。