「23日なんだけど空いてる?」

「空いてるよ、次の日はお昼からは光と遊ぶけどそれでいいなら」

「分かった、またあとで詳細送る」

「うん、待ってるね」



煌くんは光から私に視線を向けると、嬉しそうに笑って「じゃあまた」と手を振った。


手を振り返して見送ると、光が口を開いた。



「おもしろいよね、遊馬って」

「何が?」

「ゆづ以外が話しかけたら、すんって真顔になるんだもん」



そういって光は、煌くんが笑顔から無表情になる様子を実演してみせた。


言われてみれば確かに、煌くんって私と話すか部活の時以外は表情乏しいかも。



「それだけゆづが特別ってことよね。いやー、よかった。遊馬が心変わりして」



心変わりというか、煌くんは私のことを信頼してくれたんだと思う。


数少ない信頼できる人間だから、ああやって分かりやすく素を見せてくれるんだ。