「ち、違うよ!ねえ煌くん、ところでなんで鍵持ってるの?」



恥ずかしくて体をのけ反らせて話題変換を試みる。


煌くんはキスを拒まれてちょっとさみしそうな顔をしたけど、鍵に視線を落とした。


どうやら解説してくれるらしい。



「これが欲しくて参加したようなものだから」



そう言うと、煌くんは何の変哲もない金属の鍵を手のひらに乗せた。



「ミスターコン優勝者に代々こっそり受け継がれてる屋上の鍵。
これがあれば、いつでもゆづと2人きりになれる」



こっそり受け継がれてるってことは、先生たちにバレたらまずいのかな。


まあ、問題になったとか聞いたことないし大丈夫なのかな。


要は秘密の鍵ってことだよね。いい響きだ。


煌くんがミスターコンに出場したきっかけって、もしかしてその鍵が欲しかったから?