カレシが嫉妬を覚えたら

「捻挫しちゃったの?」

「はい、くせがついてるみたいで」

「そうね、捻挫のくせがついたら完治するまでなかなか大変だもんね」



煌くんのお母さんは税理士というお堅い仕事柄厳格なイメージだったけど、案外気さくに話しかけてくれて明るい人だった。


口調や仕草が光になんとなく似ていて、少し緊張がほぐれた。


でも、ついさっき複雑な事情の家族の話を聞いた直後だったから、なんとなく気まずかった。



「暑かったでしょ、お茶いれてあげる」

「いえ、大丈夫です」

「謙虚な子ね~、おばちゃん感心しちゃう。お話したいからそこに座ってて」



煌くんのお母さんはキッチンに向かうと、鼻歌を歌いながらお茶を冷蔵庫から取り出し、食器棚からグラスをひとつ取ってお茶を注ぐ。


そのグラスを私に渡すと、彼女は1人分距離を開けてソファに座った。